読書:サラリーマンの悩みのほとんどにはすでに学問的な「答え」が出ている

サラリーマンの悩みのほとんどにはすでに学問的な「答え」が出ている (マイナビ新書)

サラリーマンの悩みのほとんどにはすでに学問的な「答え」が出ている (マイナビ新書)

 

評価:3.5点(5点満点)

「経済成長理論」「行動経済学」「ポジティブ心理学」「組織行動論」「プロジェクト・マネジメント」上記いずれかのキーワードに惹かれた、あるいは興味はあったけどどこから手をつけて良いかわからない、という方におすすめ。逆に少しでもかじったことがある人には全くおすすめ出来ません。個人的には、第2章の「なぜ、お金がたまらないのか?」第3章の「どうすれば楽して出世できるのか?」が特に楽しめた。この本でストレングスファインダーについて知ったので、「さあ、才能(じぶん)に目覚めよう」を購入してストレングスファインダーを試してみたりもした。この本のレビューはこちらのエントリを参照。

 

[動機]

以前からタイトルに興味は持っていたけど手を出していなかったこの本の著者が、「統計学が最強の学問である」の著者の西内さんということを知ったので、新書だし手軽に読めて良いかなと思ったのがきっかけ。

 

[サマリ]

「なぜ給料があがらないのか?」、「どうすれば職場の人間関係はうまくいくのか?」など、サラリーマンであれば誰もが抱く悩みを、それぞれの専門化の研究成果から解説し、詳しく知りたい人のための次の1冊が紹介されている本。最初の質問に対しては、経済学の収穫逓減の法則が理由であると説明し、その解決方法として内生的経済成長理論を引き合いに出しながら、収穫逓増する知恵や知識を蓄えるべきと主張。同様の手法で7つの章それぞれで悩みをとりあげ、専門家の研究の紹介とそこから導かれる解決方法を紹介するという構成。各章の半ページ程度のまとめが親切。

 

[引用(太字はドルミです)]

[p.78]  現在の収入とその理想的な節約状態を足して2で割った値が「1ヵ月に使って良い額」で、その額と月収の差が「毎月投資のために積み立てる額」となります。

 

[p.p.79-83]  次にすべきは投資運用資金をおよそ1/4ずつに分割することです。まずその1/4ずつのうち1つめを、「今最も悲観的な経済ニュースになっているもの」のインデックスファンドに自動積み立てしていきましょう。・・・次の1/4は・・・先ほどのファンドのリスクヘッジになるファンドに回します。ただしこちらでもやはり今投資することが流行っているようなものは避けましょう。・・・残り1/4ずつは、それぞれ「日本円を貯蓄しておくもの」と「自分の人的資本に投資していくもの」として扱います。

 

[p.125]  VIAテストストレングスファインダーを使って自分の強みを理解しましょう。

 

[p.187-191]  ですからプロジェクトマネジメントにおいてはスケジュールを最初に立てる時、まず可能な限りの遅延やトラブルの原因になりうるリスクを洗い出します。そして洗い出したそれぞれのリスクに対して、起こりうる可能性を5段階で、起こった場合の影響の大きさを5段階で採点し、両方の点数をかけ合わせた1-25までの値が大きいものから順にその対処の方法を考えます。・・・スケジュールで考慮する1つ1つの作業に要する時間を、「平均的にこれぐらい」という一点の予測だけで行わないということです。その代わり、「すべてがうまくいった場合の楽観的な見積もり」、「問題がいくつか発生し、楽観的見積もりに遅れを加算すると想定する現実的見積もり」、「問題が多発し、その結果作業の期間が大幅に伸びる悲観的見積もり」の3パターンをそれぞれ算出すします。・・・

「最も可能性が高い所要時間の見積もり方」=(楽観的見積もり+4x現実的見積もり+悲観的見積もり)÷6

・・・多くの場合、楽観的見積もりと現実的見積もりの差よりも、悲観的見積もりと現実的見積もりの差の方が大きくなります。そのためこの計算結果は現実的見積もりよりも少し長めの値となることでしょう。

 

 

統計学が最強の学問である

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