読書:さあ、才能(じぶん)に目覚めよう

評価:3.0点(5点満点)

自分探し中の方におすすめ。「人はほとんど全てのことにおいて能力が発揮出来るため、最も成長余地があるのはその人の一番弱い部分である」というのは誤った認識で、すぐれた人たちは「自分独自の一番強みを持っている分野こそ成長の可能性を最も多く秘めている」、とする点は自分に今まではなかった考え方だなと思う。 

 

[動機]

dormirは転職活動中なので、良い機会だと思いいくつか自分探し本を読もうかと思っていた所、「サラリーマンの悩みのほとんどにはすでに学問的な「答え」が出ている」という本でも紹介されていたので読んでみました。というかストレングス・ファインダーという心理テストみたいなもののアクセスコードがついていたのでそれがやってみたくて買いました(アクセスコードは一度しか使えないので、中古ではなく新品を買う必要があります。  

 

[サマリ]

過去を振り返ってみても回りをみても、「弱点の克服が大事」だと思ってたので新鮮だった。「強みを活かしなさい」という人もいたかもしれないが、それが受け入れられない理由として、「得意分野での失敗に対する恐怖」と「他人の失敗へのささやかな喜び」という二つの性向があるからだという説明には納得。

34の強みの中から上位5つを診断するオンラインテストに加え、それぞれの強みの解説(第4章)、それをどう活用するか(その資質を持っている人をどうモチベートするか、第6章)、強みを土台にした企業を築くための採用や評価システムはどうすべきか(第7章)といった点が解説されています。 

 

[引用(太字はドルミです)]

[p.10]  ・・・人間に対する二つの誤った認識に基いて築かれている企業がいかに多かったかということだ。その二つとはー

  1. 人はだれでもほとんどすべてのことにおいて、能力を発揮することができる。
  2. だれにとっても最も成長の余地があるのは、その人の一番弱い分野である。


[p.12]  ・・・すぐれたマネージャーが、共通し持っている二つの認識を示そう。

  1. 人の才能は一人ひとり独自のものであり、永続的なものである
  2. 成長の可能性を最も多く秘めているのは、一人ひとりが一番の強みとして持っている分野である。

 

[p.22-23]  「私はきみたちとなんら変わりません」ウォーレン・バフェットは、すこぶるラフな服装で現れると、ネブラスカ大学のく教室を埋め尽くした学生たちをまえにして言った。学生はみな忍び笑いをもらした。・・・それを見て、バフェットは話題を変えた。「もしきみたちと私になんらかのちがいがあるとすれば、私は毎日朝から晩までこの世で一番好きなことをしている。ただそれだけのことではないでしょうか。きみたちにアドバイスめいたことが私にあるとすれば、それに尽きます」

 

[p.28]  本書のテーマである「強み」とは、ひとことで言ってしまえば、「常に完璧に近い成果を生み出す能力」のことだ。

 

[p.218-229]  才能に関する弱点に対処する必要があるようなら、ぜひ参考にしてほしい。・・・①少しでもよくする、②サポートシステムをつくる、③才能の力で弱点に打ち勝つ、④パートナーを見つける、⑤とにかくやめてみる。

 

[Strength Finderによるdormirの上位五つの資質] 

回復志向
あなたは問題を解決することが大好きです。さらなる困難に遭遇するとうろたえる人もいますが、あなたはそれによって力を与えられます。あなたは症状を分析し、何が悪いのかを突き止め、解決策を見い出すという挑戦を楽しみます。あなたは現実的な問題を好むかもしれないし、抽象的な問題、あるいは個人的な問題を好むかもしれません。あなたはこれまでに何度もぶつかって、解決できる自信がある分野の問題を探し求めるかもしれません。あるいは、複雑で馴染みのない問題に直面したとき、あなたは最もやり甲斐を感じるかもしれません。あなたが実際に何を好むかは、あなたの他の資質や経験によって決まるでしょう。しかし確実に言えることは、あなたは物事に再び生命を与えることを楽しんでいるということです。底に潜む要因を明らかにし、その要因を根絶し、物事を本来あるべき輝かしさへ回復することを素晴らしいと感じるのです。もしあなたの介入がなかったら、たとえばこの機械は、この技術は、この人物は、この会社は、機能を停止してしまった可能性があると本能的に分かっています。あなたがそれを直したのです。それを蘇生させ、活気を取り戻させたのです。あるいは、あなたらしい表現で言えば、あなたはそれを救ったのです。
 
学習欲
あなたは学ぶことが大好きです。あなたが最も関心を持つテーマは、あなたの他の資質や経験によって決まりますが、それが何であれ、あなたはいつも学ぶ「プロセス」に心を惹かれます。内容や結果よりもプロセスこそが、あなたにとっては刺激的なのです。あなたは何も知らない状態から能力を備えた状態に、着実で計画的なプロセスを経て移行することで活気づけられます。最初にいくつかの事実に接することでぞくぞくし、早い段階で学んだことを復誦し練習する努力をし、スキルを習得するにつれ自信が強まる――これがあなたの心を惹きつける学習プロセスです。あなたの意欲の高まりは、あなたに社会人学習――外国語、ヨガ、大学院など――への参加を促すようになります。それは、短期プロジェクトへの取組みを依頼されて、短期間で沢山の新しいことを学ぶことが求められ、そしてすぐにまた次の新しいプロジェクトへに取組んでいく必要のあるような、活気に溢れた職場環境の中で力を発揮します。この「学習欲」という資質は、必ずしもあなたがその分野の専門家になろうとしているとか、専門的あるいは学術的な資格に伴う尊敬の念を求めていることを意味するわけではありません。学習の成果は、「学習のプロセス」ほど重要ではないのです。
 
原点思考
あなたは過去を振り返ります。そこに答えがあるから過去を振り返ります。現在を理解するために、過去を振り返ります。あなたの見方からすると、現在は不安定で、訳の分からない喧騒が入り乱れています。現在が安定を取り戻すには、過ぎ去った時――すなわち計画が立てられたとき――に心を向けてみる以外方法はありません。過去は今より分かりやすく、計画の基礎が築かれたときです。振り返ると、計画の原型が現れるのが見えてきます。そしてあなたは、初めの意図が何であったのかを知ります。この原型、あるいは意図はあまりにも飾り立てられてしまって、本来の姿がほとんど認識できなくなっていますが、この原点思考という資質によって、これらが再び現れます。このようにして原型や意図を理解することは、あなたに自信を与えます。あなたは元々の考え方を知っているので、もはや方向を見失うことなく、より適切な判断を下すことができます。仲間や同僚がどのようにして今のようになったかを知っているので、あなたはより一層彼らの良きパートナーとなります。過去に蒔かれた種を理解しているために、あなたは自然に将来をよく見通すことができるようになります。初対面の人や新しい状況に直面すると、自分をそれに適応させるのにある程度の時間を必要とするでしょうが、その時間を取ることを心掛けなければなりません。あなたは原型が表面に浮かび上がるような質問が必ずできなければなりません。なぜならば状況がどうであれ、過去の原型を見たことがなければ、あなたの決断に自信が持てないことになるからです。
 
分析思考 
分析思考という資質を持つあなたは、他の人に「証明しなさい。あなたの主張がなぜ正しいのか示しなさい」と強く要求します。このような詰問を受けると、自分の素晴らしい理論がもろくも崩れ落ちるのを感じる人もいます。これがまさしく、あなたの意図するところです。あなたは必ずしも他人のアイデアを壊したいわけではないのですが、彼らの理論が堅固であることを強く求めます。あなたは自分自身を、客観的で公平であると考えています。あなたはデータを好みます。データは人々の考えに左右されず、ありのままだからです。あなたはデータを見ると、パターンと関連性を捜し出します。一定のパターンが互いにどのように影響するのか、どのように結びつくのか、結果はどのようなものかを理解しようとします。そしてその結果が、提示されている理論や目の前の状況にふさわしいかどうかを知ろうとします。これがあなたのやり方です。あなたはこれらの点を一つずつ明らかにして、根本的な理由を探し当てます。人はあなたのことを論理的で厳格であると見ます。その人達は、いつかあなたのところにやって来て、誰か他の人の「非現実的な考え」あるいは「整理されていない考え」を話し、あなたの研ぎ澄まされた思考から見た考えを聞くでしょう。あなたの分析結果を伝える時、できれば決して厳し過ぎないようにしましょう。さもないと、その「非現実的な考え」が彼ら自身の考えである場合、その人はあなたをわざと避けるようになります。
 
公平性
あなたにとって、バランスはとても大切です。あなたは、地位とは関係なく人々を平等に扱う必要性を強く信じています。ですから、あなたは誰か一人が特別扱いされることを望みません。あなたは、このようなことが利己主義や個人主義につながると考えています。それは、一部の人がコネや、出自や、わいろによって、不公正な利益を得るような世の中につながります。これはあなたが心から嫌悪していることです。あなたは自分自身を、そんな状況を作らないための監視役だと考えています。このような特権がまかり通る世の中とは対照的に、あなたは、規則が明確で誰にでも平等に適用される矛盾のない環境で、人々は最高の働きをすると信じています。これは、人々が何を期待されているかを分かっている環境です。それは予測が可能で、公正な環境です。これこそ公平さです。このような環境でこそ、人は自分の価値を発揮する公平な機会を持ちます。
 
 
 

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